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ホームコラム木造サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)の建設費と坪単価
事例紹介15分で読めます2026-06-29

木造サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)の建設費と坪単価

木造サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)の建設費と坪単価

※ 画像はイメージです

はじめに — サ高住は木造で建設費を最適化できる

高齢化の進行で、**サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)**の需要は引き続き高い水準にあります。一方で建設費の高騰により、家賃設定と事業採算の両立が難しくなっています。

そこで有力なのが木造サ高住です。サ高住は居室が連続する住居系の用途で、もともと木造との相性が良く、RC造・S造より建設費・工期を圧縮できます。補助金や減価償却のメリットも大きく、運営事業者の収益性を高められます。本記事では、木造サ高住の建設費・坪単価の目安と、バリアフリー・防火・遮音などの設計ポイントを解説します。

サ高住の「登録要件」が住戸面積を決める

サ高住は国の登録制度に基づく住宅で、登録要件が住戸面積=延床=建設費を直接規定します。

  • 各居室は原則25㎡/戸以上。ただし居間・食堂・台所など共用部が十分な面積を持つ場合は18㎡/戸以上に緩和できます(共用充実型)。この「25㎡型か18㎡+共用型か」で、同じ戸数でも延床と建設費が大きく変わります。
  • バリアフリー必須:廊下幅、段差解消、手すり設置が登録要件。
  • 状況把握・生活相談サービスの提供と、それに対応する事務・相談スペースが必要。
  • 戸数×住戸面積+共用部(食堂・浴室・廊下)の積み上げが延床になります。登録は都道府県等への申請が必要です。

木造サ高住の建設費・坪単価の目安

構造別 坪単価の比較(サ高住)

構造坪単価の目安工期特徴
木造2×485〜115万円/坪8〜12ヶ月コスト・工期で最有利。2〜3階に好適
S造(鉄骨)105〜135万円/坪10〜14ヶ月中高層に対応、コスト高
RC造125〜165万円/坪14〜20ヶ月防音は高いが費用・工期が突出

※ 居室設備・共用部・厨房・外構は別途。共同住宅(賃貸)系の上位レンジに位置します(坪単価一覧参照)。

戸数別の概算建設費(木造2×4・本体工事)

25㎡/戸(共用部含む)を基準に、共用充実型(18㎡+共用)なら住戸延床を圧縮できます。

規模戸数の目安延床面積の目安概算建設費
小規模20戸前後約150坪約1.3億〜1.7億円
標準30〜40戸約250坪約2.1億〜2.9億円
大規模50戸以上約350坪約3.0億〜4.0億円

土地・外構・什器は別途です。自社の規模での概算は 非住宅木造 建設費シミュレーター解説 で試算できます。

「25㎡型」か「18㎡+共用充実型」かで延床が変わる

同じ30戸でも、住戸タイプの選び方で延床=建設費が変わります。登録要件の「原則25㎡/共用充実なら18㎡」をどう使うかが設計判断の核です。

タイプ1戸面積30戸の住戸合計共用部の考え方向く方針
25㎡型25㎡/戸750㎡各戸にミニキッチン・水回りを持たせ自立度重視比較的自立した入居者・高めの家賃設定
18㎡+共用充実型18㎡/戸540㎡食堂・浴室・談話室など共用を厚くする介護度がやや高め・交流重視・延床圧縮

18㎡型は住戸合計を約210㎡圧縮できますが、その分共用部を充実させる必要があるため、延床がそのまま削れるわけではありません。「個室で完結させるか、共用で支えるか」という運営方針の選択が、面積と建設費に直結します。

運営事業性のイメージ(30戸・標準)

建設費を投資回収まで見通すための簡易イメージです(地域・家賃・稼働率で大きく変わるため目安)。

  • 家賃+共益費+生活支援サービス費で1戸あたり月10〜15万円程度の収入を想定(地域差大)。
  • 30戸×満室×月12万円なら年間収入は約4,320万円。ここから人件費・水道光熱・修繕・運営委託費を差し引いた残りが返済原資になります。
  • 建設費を木造で2.1億〜2.9億円に抑えられれば、RC造(3億円超)より年間返済負担が軽く、稼働率が想定を下回っても耐えやすい収支になります。
  • サ高住は介護・食事の付帯サービスや併設の通所介護で収益を補強する設計が一般的です。建物計画段階でサービス収入源(食堂・機能訓練室など)を織り込むと事業性が安定します。

木造サ高住の4つのメリット

1. 建設費圧縮で家賃設定に余裕が生まれる

RC造比で25〜35%の建設費圧縮が見込め、家賃を抑えても採算が合いやすくなります。入居率の確保にも有利です。

2. サ高住整備事業の補助が使える

サ高住は国の**「サービス付き高齢者向け住宅整備事業」の対象です。確認時点の概算決定ベースでは、新築は補助率1/10・住宅部分1戸あたり上限70万円/120万円/135万円**(床面積等の条件で上限が分かれる)、改修は補助率1/3・1戸あたり上限195万円等が設定されています。公募年度・要綱で変動するため、申請時に サ高住整備事業事務局 で最新要綱を必ず確認してください。これに加え、木材利用に対する助成と組み合わせられることもあります(補助金・助成金まとめ)。

3. 減価償却が短く、運営期の節税が効く

木造の法定耐用年数はRC造の半分以下で、年間減価償却費が大きく、運営期のキャッシュフローを改善します。非住宅木造の減価償却と節税 を参照。

4. 木質空間が入居者のQOLを高める

木のぬくもりは高齢者の心理的安定・転倒不安の軽減にも寄与し、運営の差別化要素になります。

押さえるべきサ高住特有の設計ポイント

バリアフリー

サ高住は段差解消・手すり・幅の広い廊下・車椅子対応トイレなどバリアフリー基準への適合が必須です。木造でも問題なく対応できます。

防火・耐火基準

サ高住は規模・階数により準耐火または耐火が求められます。用途×規模別の早見表は 非住宅木造の耐火基準を完全ガイド を参照してください。

居室間の遮音

連続する居室のプライバシー確保のため戸境壁・上下階の遮音が重要です。2×4の面構造+遮音層で対応します。詳細は 木造の防音・遮音性能は大丈夫? を参照。

安否確認・緊急通報の設備計画

サ高住の必須サービス「状況把握(安否確認)」と「生活相談」に対応する設備を建物に織り込みます。各居室の緊急通報装置(呼出ボタン)と事務・相談室への通報集約、人感センサーやトイレ・居室の見守りセンサーなどです。これらの配線・端末は企画段階で計画しておくと後付け工事を避けられます。木造でも配線ルートは問題なく確保できます。

木造サ高住のよくある質問(FAQ)

Q. サ高住は何階まで木造で建てられますか? A. 多くのサ高住は2〜3階建てで計画され、木造2×4で対応できます。3階建て以上は耐火要求が上がるため、木造3階建て非住宅は建てられる? も参照してください。中高層を狙う場合はRC造・S造との併用(混構造)も選択肢になります。

Q. 介護付き(特定施設)にしたい場合も木造で建てられますか? A. 建物の構造としては木造で建てられます。ただし「サ高住」と「介護付き有料老人ホーム(特定施設)」では指定基準・人員配置が異なり、必要諸室(介護・看護スペース等)も変わります。どの類型で運営するかを先に決め、それに合わせて諸室を計画してください。介護系の他用途は 木造グループホームの設計と建設 も参考になります。

Q. 入居者の家賃が下がっても採算が合いますか? A. 木造で建設費を抑えると、返済負担が小さくなるぶん家賃を下げても採算ラインを確保しやすくなります。地域の相場に合わせた家賃設定でも事業が成り立ちやすいのが、建設費圧縮の最大の効用です。

Q. 補助金は必ずもらえますか? A. サ高住整備事業の補助は予算枠と公募要件があり、年度・地域で採択状況が変わります。「もらえる前提」ではなく「採択されれば自己負担が軽くなる」と捉え、企画段階で最新要綱を確認してください。木材利用に対する助成と組み合わせられる場合もあります。

Q. 将来、需要が変わったら用途転換できますか? A. 木造は改修・間取り変更がしやすく、共同住宅や別の福祉用途への転換がRC造より柔軟です。長期の出口戦略を描きやすいのも木造サ高住の利点です。

まとめ

項目木造サ高住の優位性
建設費RC造比で25〜35%圧縮
工期RC造比で約半分
補助金整備補助・税制優遇の対象になり得る
減価償却RC造の半分以下
入居者QOL木質空間で心理的安定

木造サ高住は、建設費・補助金・節税・入居者満足のすべてで合理的な選択肢です。サ高住の新築・建替えをご検討中の運営事業者・投資家様は、概算費用の試算からお気軽にご相談ください。介護系の他用途は 木造グループホームの設計と建設施工事例|特別養護老人ホーム もご覧ください。

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