非住宅木造Navi
ホームコラム非住宅の建物にかかる税金まとめ|取得・保有・売却の税率一覧
経営戦略19分で読めます公開日:最終更新日:

非住宅の建物にかかる税金まとめ|取得・保有・売却の税率一覧

非住宅の建物にかかる税金まとめ|取得・保有・売却の税率一覧

※ 画像はイメージです

非住宅の建物にかかる主な税金は、取得時の「不動産取得税・登録免許税・印紙税・消費税」、保有中の「固定資産税・都市計画税・償却資産税」、売却・相続時の「譲渡所得への課税・相続税」です。 住宅と違い、事務所・店舗・倉庫などの家屋の不動産取得税は軽減税率(3%)の対象外で、標準税率の4%がかかります。

木造かどうかで税率そのものは変わりませんが、減価償却の耐用年数が短い(事務所用で木造24年、RC造50年)ため、費用に計上する時期が早まる点が構造による大きな違いです。本記事では、税目ごとの税率と、建物4,000万円の計算例を整理します。

この記事の数値について: 税率・期限は2026年10月時点で国税庁・総務省・都道府県の公表資料により確認した値です。軽減措置には期限があり、税制改正で変わります。計算例の評価額は計算用の仮の値です。実際の税額は税理士・都道府県税事務所・市町村に確認してください。

【早見表】非住宅の建物にかかる税金

時期税金課税の基準税率など
取得時不動産取得税(都道府県)固定資産税評価額など住宅以外の家屋 4%/土地 3%(令和9年3月31日までの取得)
取得時登録免許税(国)不動産の価額建物の所有権保存登記 0.4%、売買による移転登記 2%(土地の売買は令和11年3月31日まで1.5%)
取得時印紙税(国)工事請負契約書・売買契約書の記載金額建設工事請負契約書は軽減措置あり(令和9年3月31日まで)
取得時消費税(国・地方)建築費(建物部分)10%。土地の譲渡は非課税
保有中固定資産税(市町村)1月1日現在の固定資産税評価額標準税率1.4%
保有中都市計画税(市町村)同上(市街化区域内)上限0.3%
保有中償却資産税(固定資産税の一部)事業用の設備など標準税率1.4%(課税標準額が免税点150万円未満なら課税されない。令和9年度分以後は180万円)
保有中法人税・所得税減価償却費を経費に計上耐用年数は構造・用途で決まる
売却時譲渡所得への課税譲渡益個人の長期譲渡所得は所得税15%+復興特別所得税+住民税5%
相続時相続税相続税評価額賃貸用なら貸家・貸家建付地として評価が下がる

取得時にかかる税金

不動産取得税

土地や家屋を取得したときに一度だけかかる都道府県の税です。税率は標準4%ですが、令和9年3月31日までの取得については土地と住宅が3%に軽減されています。住宅以外の家屋(事務所・店舗・倉庫など)は軽減の対象外で4%です。 また、同じ期限まで、宅地評価土地は課税標準が価格の2分の1になります。

新築の家屋は、建築費そのものではなく、都道府県が評価した価格(固定資産税評価額に相当)に税率を掛けます。

登録免許税

新築した建物の所有権保存登記は不動産の価額の0.4%、売買による所有権移転登記は2%です。土地の売買による移転登記は、令和11年3月31日までは1.5%に軽減されています。借入で抵当権を設定する場合は、その登記にも登録免許税がかかります。

印紙税(建設工事の請負契約書)

建設工事の請負契約書には印紙税がかかります。平成26年4月1日から令和9年3月31日までに作成される、契約金額100万円超の建設工事請負契約書には軽減措置があります。

契約金額軽減後の税額
1,000万円超 5,000万円以下1万円
5,000万円超 1億円以下3万円
1億円超 5億円以下6万円

消費税

建築費には消費税(10%)がかかります。課税事業者は、課税売上げに対応する分を仕入税額控除できます。ただし、住宅の貸付けは非課税で、居住用賃貸建物(税抜1,000万円以上)の取得は、令和2年10月1日以後、原則として仕入税額控除ができません(消費税法30条10項)。介護施設や賃貸住宅の扱いは 介護施設の建設で消費税は還付される? を参照してください。

保有中にかかる税金

固定資産税・都市計画税

毎年1月1日現在の所有者に、市町村が課税します。固定資産税の標準税率は1.4%、都市計画税は市街化区域内で上限0.3%です。家屋の評価額は「再建築価格(同じ家屋をその時点で新築する場合の建築費)」に経年減点補正率を掛けて求めるため、建築費そのものではなく、建築後の年数に応じて下がっていきます。評価額は3年ごとに見直されます(評価替え)。

償却資産税

事業に使う機械・設備などの償却資産にかかる固定資産税です。税率は1.4%で、課税標準額の合計が免税点(150万円。令和9年度分以後は180万円)未満なら課税されません。建物と一体の設備を「家屋」として課税するか「償却資産」として申告するかは、法人税の区分とは別のルールです(倉庫・工場の固定資産税はいくら?家屋の三要件と償却資産税との違い)。

減価償却(法人税・所得税)

事業用の建物の取得費は、法定耐用年数にわたって毎年の経費にします。建物は定額法です。

用途木造鉄筋コンクリート造
事務所用24年50年
店舗用22年39年
倉庫用(一般用)15年38年

耐用年数が短い木造は毎年の償却費が大きくなりますが、経費にできる総額は取得価額までで、税額の総額が減るのではなく時期が早まるものです。詳しくは 非住宅木造の減価償却 を参照してください。

売却・相続時

  • 売却(個人): 土地・建物の譲渡所得は他の所得と分けて課税します。譲渡した年の1月1日現在で所有期間が5年を超える長期譲渡所得は、所得税15%・復興特別所得税(所得税額の2.1%)・住民税5%です。5年以下の短期譲渡所得は税率が高くなります。
  • 売却(法人): 譲渡益は他の所得と合算して法人税の対象です。建物の売却には消費税もかかります(課税事業者の場合)。
  • 相続: 賃貸用の建物は「貸家」、その敷地は「貸家建付地」として、自用より評価が下がります。
対象相続税評価の考え方(国税庁)
建物(貸家)固定資産税評価額 −(固定資産税評価額 × 借家権割合 × 賃貸割合)
土地(貸家建付地)自用地としての価額 −(自用地としての価額 × 借地権割合 × 借家権割合 × 賃貸割合)

土地活用と相続の関係は 土地活用の選択肢を比較 を参照してください。

【計算例】木造事務所(建築費4,000万円)の税金

以下はすべて計算用の仮の値です。建築費(税抜)4,000万円の木造事務所を新築し、家屋の評価額を仮に建築費の6割(2,400万円)と置きます。実際の評価額は都道府県・市町村が決めます。

税金計算金額(仮)
印紙税(請負契約書 4,000万円)軽減後の税額表による1万円
消費税(建築費)4,000万円 × 10%400万円
不動産取得税(家屋)2,400万円 × 4%96万円
登録免許税(所有権保存)2,400万円 × 0.4%9.6万円
固定資産税(毎年・初年度)2,400万円 × 1.4%33.6万円
都市計画税(毎年・市街化区域で上限の場合)2,400万円 × 0.3%7.2万円
減価償却費(毎年・木造事務所24年)4,000万円 × 0.042168万円

同じ4,000万円をRC造(事務所用50年・償却率0.020)で計算すると、毎年の償却費は80万円です。木造は約2倍の額を早い時期に経費にできます。ただし実際にはRC造のほうが建築費が高くなるのが一般的で、構造別の費用は 木造・鉄骨造・RC造の坪単価比較 を参照してください。

【チェックリスト】建てる前に確認すること

  • 用途は住宅か住宅以外か(不動産取得税の税率、消費税の控除に影響)
  • 取得時の税(不動産取得税・登録免許税・印紙税)を資金計画に入れたか
  • 毎年の固定資産税・都市計画税・償却資産税を収支計画に入れたか
  • 建物本体と設備を区分できる内訳明細を施工者から受け取れるか
  • 補助金を受ける場合、圧縮記帳を使うか(圧縮記帳とは)
  • 軽減措置の期限(令和9年3月31日など)に取得・契約の時期が間に合うか
  • 税額の試算を税理士に依頼したか

よくある質問(FAQ)

Q. 事務所や倉庫でも不動産取得税は3%ですか? A. いいえ。3%の軽減は土地と住宅が対象で、住宅以外の家屋は4%です(令和9年3月31日までの取得の場合)。

Q. 固定資産税は建ててからずっと同じ額ですか? A. いいえ。建物の評価額は経年で下がっていくため、税額も下がる傾向があります。評価額は3年ごとに見直されます。

Q. 木造は税金で有利ですか? A. 税率は構造で変わりません。木造の違いは減価償却の耐用年数が短いことで、経費にする時期が早まります。建築費が低ければ、建築費に比例する消費税なども小さくなります。

Q. 中古の木造を買った場合の減価償却は? A. 法定耐用年数の全部を経過していれば、簡便法で「法定耐用年数×20%」(1年未満切捨て、最低2年)を耐用年数にできます。木造事務所なら24×20%=4.8で4年です。詳しくは 非住宅木造の減価償却 を参照してください。

Q. 誰に相談すればよいですか? A. 税額の計算と特例の適否は税理士、不動産取得税は都道府県税事務所、固定資産税は市町村の資産税課が窓口です。

まとめ

時期押さえること
取得時非住宅の家屋の不動産取得税は4%。登録免許税・印紙税・消費税も資金計画に入れる
保有中固定資産税1.4%、都市計画税上限0.3%、償却資産税。評価額は経年で下がる
償却木造は耐用年数が短く、経費にする時期が早い(総額は同じ)
売却・相続個人の長期譲渡は所得税15%+住民税5%など。賃貸用は相続税評価が下がる

税金まで含めた事業性をご検討中の事業者様は、概算費用の試算からお気軽にご相談ください。資金計画は 非住宅の建設資金の調達方法、火災保険などの保有コストは 非住宅木造の火災保険 も参照してください。

出典・参考

ご相談イラスト

お困りのことはありませんか?

非住宅木造の設計・施工・参入についてお気軽にご相談ください。専門スタッフが過去事例をもとにアドバイスさせていただきます。

お問い合わせ
非住宅木造 参入セミナー(無料オンライン)無料で申し込む