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非住宅の建物の保証とアフター|契約不適合責任と点検の確認点

非住宅の建物の保証とアフター|契約不適合責任と点検の確認点

※ 画像はイメージです

事務所・店舗・倉庫などの非住宅には、新築住宅のような「構造・雨漏りの10年保証」を法律で義務付ける制度がありません。 引渡し後の不具合は、民法の契約不適合責任(契約の内容に合わない目的物を引き渡したときに請負人が負う責任)と、請負契約で決める保証・アフターサービスで対応するのが基本です。

民法では、注文者が不適合を知った時から1年以内に請負人へ通知しないと、原則として補修などを求められなくなります(民法第637条)。だからこそ非住宅では、保証の範囲・期間・点検の仕組みを契約書で決めておくことが重要です。

この記事について: 法律の内容は法務省・国土交通省の公表資料で確認できた範囲で書いています。保証の期間や内容は業者・契約ごとに異なり、法律の運用は個別の事情で変わります。契約の判断は弁護士など専門家に確認してください。

住宅と非住宅で何が違うか

項目新築住宅非住宅(事務所・店舗・倉庫・工場など)
法律上の長期の責任構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分は、引渡しから10年間の瑕疵担保責任(品確法)品確法の特例は適用されない。民法の契約不適合責任と契約の定めによる
保険・供託の義務新築住宅の売主・請負人に、保険加入または保証金の供託の義務(住宅瑕疵担保履行法)義務なし
保証の決め方法律の10年+業者の自主保証請負契約の約款・保証書で決める

注意: 店舗併用住宅や木造アパートなど、建物に住宅の部分があれば、その部分は新築住宅として品確法の対象になります。用途が混在する建物は、どこが住宅に当たるかを設計段階で確認してください(木造アパートの建築費)。

民法の契約不適合責任のポイント(2020年4月施行)

2020年4月1日施行の民法改正で、旧来の「瑕疵担保責任」は「契約不適合責任」に整理されました。請負で押さえる点は次のとおりです。

項目内容
注文者ができること履行の追完(補修)の請求、代金減額の請求、損害賠償の請求、契約の解除
通知の期限不適合を知った時から1年以内に請負人へ通知しないと、原則として上の請求ができない(第637条)
例外請負人が引渡しの時に不適合を知っていた、または重大な過失で知らなかった場合は、1年の期限が適用されない
時効権利を行使できることを知った時から5年、権利を行使できる時から10年の、いずれか早い方で消滅

請負契約の約款では、通知の期限などを民法と異なる内容で定めることがあります。使う約款(民間の工事請負契約約款など)の該当条項を、契約前に必ず読んでください。契約面の注意点は 木造非住宅の請負契約で注意すべきこと も参照してください。

「保証」と「保険」は別物

区分誰が責任を負うか何をカバーするか
契約不適合責任・自主保証施工した業者施工に起因する不具合の補修など。業者が存続していることが前提
任意の保険(業者が加入する賠償責任保険など)保険会社商品により異なる。業者の倒産時に使えるかは商品の内容で確認
設備のメーカー保証機器メーカー空調・給湯などの機器の故障
火災保険などの損害保険保険会社火災・風災など偶発的な損害(施工不良は対象外が一般的)

保証は業者が存続し対応してくれることが前提です。業者の継続性を確かめるとともに、業者が加入している保険の内容も確認します。火災・自然災害への備えは 非住宅木造の火災保険 を参照してください。

保証・点検を契約書で決める項目

非住宅は法律で期間が決まっていないため、次の項目を部位ごとに書面で決めます。期間は業者・契約により異なるので、複数社の保証書を並べて比べてください。

部位決めておくこと
構造耐力上主要な部分(基礎・柱・梁・耐力壁など)保証期間、対象となる不具合の範囲、免責事項(地震・地盤沈下などの扱い)
雨水の浸入を防止する部分(屋根・外壁・開口部まわり)保証期間、定期点検との関係(点検を受けることが条件か)
防蟻(シロアリ対策)薬剤の保証期間、再施工の時期と費用
設備(給排水・空調・電気)施工の保証とメーカー保証の切り分け、窓口
内外装・建具初期不良の対応期間
延長保証延長の条件(有償点検・補修工事を受けることなど)

定期点検が長持ちを支える

木造は、雨仕舞い(雨水を建物に入れない納まり)・防腐・防蟻の状態を定期的に点検し、必要に応じて補修することで長く使えます(木造非住宅は何年もつ?耐久性・メンテナンス・LCCの実際)。

時期の考え方主な点検・対応
引渡し後の早い時期建具・設備・仕上げの初期不良の確認と手直し
防蟻の保証が切れる前防蟻の再施工の要否を確認
シーリング・塗装の劣化が出る頃外壁・屋根・防水の点検と補修
設備の更新時期空調・給湯などの更新計画

点検の時期は、使う材料・メーカーの仕様・立地で変わります。業者に点検計画を書面で出してもらい、延長保証の条件と合わせて確認してください。

【チェックリスト】契約前に確認すること

  • 建物に住宅の部分(住居・寮・併用住宅など)が含まれるか。含まれるなら品確法・住宅瑕疵担保履行法の対象かを確認したか
  • 使う請負契約約款の契約不適合の条項(通知期限・責任の範囲)を読んだか
  • 部位ごとの保証期間と免責事項が書面(保証書)で示されているか
  • 定期点検の計画(時期・内容・有償か無償か)が示されているか
  • 延長保証の条件(有償点検・補修工事の実施など)を確認したか
  • 設備のメーカー保証と施工の保証の窓口を切り分けたか
  • 不具合が出たときの連絡先・対応の流れが決まっているか
  • 業者の非住宅の施工実績と会社の継続性を確認したか(施工事例集)
  • 業者が加入している保険の内容(倒産時の扱いを含む)を確認したか
  • 引渡し時に、竣工図・仕様書・設備の取扱説明書・保証書を受け取る段取りがあるか

木造非住宅のアフター・保証に関するよくある質問(FAQ)

Q. 非住宅にも住宅のような10年保証の義務はありますか? A. ありません。新築住宅の構造・雨漏りに関する10年間の責任は品確法の特例で、非住宅には適用されません。非住宅は民法の契約不適合責任と、請負契約で決める保証で対応します。だからこそ契約書で保証の範囲と期間を確認することが重要です。

Q. 不具合に気づいたら、いつまでに何をすればよいですか? A. 民法では、不適合を知った時から1年以内に請負人へ通知しないと、原則として補修などを求められなくなります(第637条)。約款で別の定めがある場合もあるため、気づいたら早めに書面やメールで通知し、記録を残してください。

Q. 店舗の上に住居がある建物はどうなりますか? A. 住居の部分は新築住宅に当たるため、その部分は品確法の10年間の責任や住宅瑕疵担保履行法の対象になります。非住宅の部分は契約による保証です。保証書で部分ごとの扱いを確認してください。

Q. 業者が倒産したら保証はどうなりますか? A. 業者の自主保証は、その業者がなくなると履行されない恐れがあります。業者選びでは会社の継続性を確認し、業者が加入している保険が倒産時に使えるかも確かめてください(事業承継・M&A)。

Q. 定期点検を受けないとどうなりますか? A. 延長保証は、定期点検や有償の補修を受けることを条件にしている場合があり、受けないと延長されないことがあります。点検は不具合の早期発見にもつながるため、点検計画と保証の条件を契約時に確認してください。

Q. 設備の保証は建物の保証に含まれますか? A. 空調・給湯などの機器はメーカー保証が中心で、建物の構造・防水の保証とは別枠のことが多いです。どこまでがメーカー保証で、どこからが施工の保証かを契約時に切り分けておくと、不具合時の窓口で迷いません。

まとめ

  • 非住宅には新築住宅のような法律上の10年保証・保険加入の義務がない
  • 不具合は民法の契約不適合責任(知った時から1年以内の通知、5年・10年の時効)と、契約で決めた保証で対応する
  • 建物に住宅の部分があれば、その部分は品確法の対象になる
  • 部位ごとの保証期間・免責・点検計画・延長条件を書面で確認する

建てた後まで安心できる体制を含めて計画を進めたい方は、お気軽にご相談ください。

出典・参考

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