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事例紹介13分で読めます2026-06-30

木造 小規模多機能型居宅介護の建設費と坪単価 — 看多機も解説

木造 小規模多機能型居宅介護の建設費と坪単価 — 看多機も解説

※ 画像はイメージです

はじめに — 地域密着型サービスの開設コストを木造で

「通い・泊まり・訪問」を一体で提供する小規模多機能型居宅介護と、それに訪問看護を加えた**看護小規模多機能(看多機)**は、地域包括ケアの中核として開設が増えています。一方で、登録定員が小さく報酬単価に上限があるため、初期投資(建物)の最適化が事業性を左右します。

その建物コストを抑える選択肢が木造です。小多機・看多機は居室+共用+宿泊機能をコンパクトにまとめる住居系の用途で、木造との相性が良好です。本記事では、木造で小規模多機能を建てる際の建設費・坪単価と設計ポイントを解説します。介護系の他用途は 木造デイサービス(通所介護)の建設費と坪単価木造グループホームの設計と建設 も参照してください。

小多機・看多機の「定員区分」が建物規模を決める

小規模多機能・看多機は指定基準で3つの定員が決まっており、これが必要諸室と建物規模の前提になります。

  • 登録定員29名以下(1事業所あたり)
  • 通い(デイ機能)18名以下:居間・食堂の広さを規定
  • 泊まり(宿泊)9名以下宿泊室の数(個室を最大9室)を規定
  • 看多機はこれに訪問看護を併設:看護職員2.5人以上、処置・看護スペースが追加で必要

「通い18名分の居間・食堂」+「泊まり9名分の宿泊室」+「浴室・相談・事務」の積み上げが延床になります。最終要件は所管自治体に確認してください。

木造小規模多機能の建設費・坪単価の目安

構造別 坪単価の比較

構造坪単価の目安工期特徴
木造2×480〜100万円/坪5〜8ヶ月コスト・工期で最有利。平屋〜2階に好適
S造(鉄骨)95〜120万円/坪7〜10ヶ月大空間に強いがコスト高
RC造110〜140万円/坪12〜16ヶ月重厚だが費用・工期が突出

※ 内装・入浴設備・厨房・外構は別途(坪単価一覧に準拠)。

規模別の概算建設費(木造2×4・本体工事)

宿泊室数(最大9室)と訪問看護室の有無で延床が変わります。

区分定員構成宿泊室の目安延床面積の目安概算建設費
小規模多機能登録29名/通い15・泊まり6前後6室前後約65坪約5,200万〜6,500万円
標準(フル定員)通い18・泊まり99室約75坪約6,000万〜7,500万円
看多機上記+訪問看護・処置室9室+看護室約90坪約7,200万〜9,000万円

土地・外構・送迎車両は別途です。自社の規模での概算は 非住宅木造 建設費シミュレーター解説 で試算できます。

「1棟で3機能」が建物計画に効く — 通い・泊まり・訪問の重なり

小多機・看多機の建物が単機能のデイサービスと根本的に違うのは、同じ建物・同じ職員が「通い」「泊まり」「訪問」を時間帯で使い回す点です。これが面積効率に効きます。

  • 昼は通いの活動拠点(居間・食堂)として使う空間が、夜は泊まりの利用者の生活空間になる——時間帯で用途が切り替わるため、デイ専用施設より延床あたりの稼働効率を高めやすい構造です。
  • 訪問は事業所から職員が出ていくサービスなので、専用の大きな部屋は要らず、記録・待機・訪問準備のスペースで足ります。
  • 結果として、登録29名・通い18名・泊まり9名というコンパクトな定員でも、共用を多機能に使う設計にすれば70〜90坪に3機能を収められるのが小多機・看多機の特徴です。

「機能ごとに部屋を専用化する」のではなく「時間帯で部屋を兼ねる」前提で間取りを組むのが、この用途のコスト最適化の核心です。

「通い・泊まり・訪問」を支える間取りのポイント

  • **居間・食堂(通い18名の活動拠点)**を中心に、宿泊室(最大9室)・浴室・相談スペースを回遊しやすく配置
  • 宿泊室は在宅復帰を意識し、できるだけ個室化(プライバシーと感染対策)
  • 看多機では**看護・処置スペース(看護室)**を設け、医療行為と生活空間の動線を分離
  • 訪問看護の併設では、スタッフの出入り動線・記録スペースも計画に織り込む
  • 在宅復帰を意識した家庭的なしつらえが、木質空間と好相性

平屋でまとめると避難・バリアフリーが容易になり、運営効率も上がります。

補助金・減価償却のメリット

地域密着型サービスの整備は、自治体の整備補助の対象になる場合があり、木材利用助成と組み合わせられることもあります。最新制度は 非住宅木造に使える補助金・助成金まとめ【2026年度最新版】 を確認してください。木造は法定耐用年数がRC造の半分以下で、運営期の節税にも効きます(非住宅木造の減価償却と節税)。

押さえるべき法規

宿泊機能を持つため、規模・階数により準耐火構造が求められる場合があります。用途×規模別の早見表は 非住宅木造の耐火基準を完全ガイド を参照してください。宿泊を伴うため消防設備の要求も単機能デイより上がる点に注意してください(消防設備・避難規定)。

木造小規模多機能・看多機のよくある質問(FAQ)

Q. 小規模多機能と看多機(看護小規模多機能)は、建物として何が違いますか? A. 基本の通い・泊まり・訪問の空間は同じですが、看多機は訪問看護を併設するため看護・処置スペース(看護室)が追加で必要です。医療材料の保管、衛生管理、看護記録の場所を計画に織り込むぶん、延床は小多機より一回り大きくなります。

Q. 泊まり(宿泊室)は9室すべて個室にすべきですか? A. 在宅復帰の支援と感染対策の観点から個室化が望ましい流れですが、定員9名に対して何室・個室か相部屋かは運営方針で決めます。泊まりの稼働は日によって変動するため、稼働率と建設費のバランスを見て室数を設定します。

Q. 既存の戸建てや空き家を改修して開設できますか? A. できる場合があります。住居系の用途で住宅と親和性が高いため、戸建ての改修事例もあります。ただし通い18名分の居間・食堂面積、泊まり用の宿泊室、消防設備を満たせるかが要件で、満たせない場合は新築のほうが基準に合わせやすくなります。

Q. 訪問サービスがあるぶん、建物は小さくて済みますか? A. 訪問は外に出るサービスなので専用の広い部屋は要らず、その点では延床を抑えられます。ただし通いと泊まりの空間は必要なので、「訪問があるから極端に小さくできる」わけではありません。職員の出入り・記録・物品準備の動線を確保します。

Q. 看多機は医療ニーズの高い利用者を受けますが、建物で配慮すべき点は? A. 医療処置に対応する清潔な看護スペース、医療廃棄物・衛生管理の動線、必要に応じて酸素・吸引などの設備対応です。生活空間(通い・泊まり)と医療スペースの動線を分けると、利用者の安心と感染対策の両立がしやすくなります。

まとめ

項目木造小多機・看多機の優位性
建設費RC造比で25〜35%圧縮
工期RC造比で約半分
補助金整備補助+木材利用助成の併用余地
減価償却RC造の半分以下
居心地家庭的な木質空間で在宅復帰を支援

木造の小規模多機能・看多機は、開設コスト・補助金・節税・利用者満足のすべてで合理的です。地域密着型サービスの新規開設をご検討中の事業者様は、概算費用の試算からお気軽にご相談ください。

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