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非住宅木造の補助金2026|令和8年度の国の制度と補助率

非住宅木造の補助金2026|令和8年度の国の制度と補助率

※ 画像はイメージです

2026年度(令和8年度)に民間の非住宅木造で使える主な国の補助制度は、国土交通省の「優良木造建築物等整備推進事業」と、林野庁のCLT・JAS構造材などの実証事業です。 優良木造建築物等整備推進事業の普及枠は、木造化に係る調査設計計画費の1/2以内と、木造化による掛増し費用の1/3以内(または建設工事費の7%以内)を合わせて、上限2億円です。

普及枠は令和8年度第2回の募集が行われており、提出期限は2026年10月16日(金)17時必着です(2026年9月30日時点、事業の評価事務局の公表による)。補助は建設費全体に補助率がかかるものではなく、「木造化に係る費用」や「掛増し費用」が対象である点に注意してください。

この記事の数値について: 補助率・上限・公募期間は、国土交通省(優良木造建築物等整備推進事業の募集要領)と林野庁「建築物の木造化・木質化に活用可能な補助事業・制度等一覧(令和8年度予算・令和7年度補正、令和8年7月17日時点)」で確認できたものだけを載せています。補助制度は年度ごとに名称・補助率・上限・公募時期が変わるため、申請前に必ず所管の最新の公募要領で確認してください。

【早見表】令和8年度 非住宅木造で使える国の主な補助制度

制度名所管主な対象・要件補助率・内容(令和8年度)
優良木造建築物等整備推進事業(普及枠)国土交通省耐火・準耐火構造が求められる規模の木造等で、不特定・特定多数が利用する用途(店舗・事務所・病院・学校・ホテル等)調査設計計画費(木造化に係る費用)の1/2以内+掛増し費用の1/3以内(算出が困難な場合は建設工事費の7%以内)。上限2億円
優良木造建築物等整備推進事業(先導枠)国土交通省先導的な設計・施工技術を導入するプロジェクト(有識者委員会で先導性を評価)普及枠より建設工事費の補助と上限を引き上げ(詳細は先導枠の募集要領)
CLT建築実証事業林野庁先駆性・普及性のあるCLTを活用した建築物の設計・建築の実証(事務所・工場・店舗・宿泊施設等。分譲・個人住宅は対象外)協議会運営費等(定額)、設計費・建築費の3/10以内(特に普及性や先駆性の高いものは1/2以内)
先駆性等の高い木造化技術による設計・建築実証林野庁一般流通材やCLTを活用した先駆性・普及性のある建築物の設計・建築の実証協議会運営費等(定額)、設計費・建築費の3/10以内(特に普及性や先駆性の高いものは1/2以内)
中高層等JAS構造材実証支援事業林野庁JAS構造材を使う建築実証(事務所・工場・店舗・宿泊施設等、集合住宅、4階以上の戸建住宅)。JAS構造材活用宣言の登録が要件JAS構造材の調達に要する経費の一部
木造公共建築物等の整備(都道府県を通じた交付金)林野庁延べ1,000人/年以上の利用が見込まれる非営利目的の施設、延べ面積原則300㎡以上、地域材の利用が必須木造化:建築工事費の15%以内(CLT活用等のモデル性が特に高いものは1/2以内)
建築物等のZEB化・省CO2化普及加速事業環境省ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化に資する新築・改修。住宅・工場・倉庫等の用途は対象外補助対象経費の2/3〜1/6ほか。CLT等を一定量以上使うと優先採択枠

※ 出典: 林野庁「建築物の木造化・木質化に活用可能な補助事業・制度等一覧(令和8年度予算・令和7年度補正)」、優良木造建築物等整備推進事業 募集要領(令和8年度 第2期募集用)。公共建築物の交付金は都道府県の事業計画に含まれるものが対象で、営利目的の施設は対象外です。

公募時期(令和8年度・2026年9月30日時点)

制度公募期間状況
優良木造建築物等整備推進事業(第1回)2026年4月15日〜普及枠は7月17日、先導枠は8月7日に採択を発表済み
優良木造建築物等整備推進事業(第2回・普及枠のみ)2026年9月10日〜10月16日17時必着募集中。採択は11月下旬の見込み
先駆性等の高い木造化技術による設計・建築実証(一般流通材)2026年6月22日〜7月27日終了
CLT建築実証事業(二次募集)2026年7月13日〜8月10日終了
中高層等JAS構造材実証支援事業(二次公募)2026年7月21日〜8月7日終了

終了した制度も、翌年度に同じ名称・条件で公募されるとは限りません。次の公募は、各事業のホームページと林野庁の一覧で確認してください。

優良木造建築物等整備推進事業(普及枠)の要件と補助額

令和8年度の募集要領(第2期募集用)で定められている主な要件は次のとおりです。

要件内容(要旨)
構造主要構造部に木材・木質材料を使う木造、部分的な木造、または補助対象部分の主要構造部に床面積1㎡あたり0.05㎥以上の木材を使う混構造
規模建築基準法上、耐火構造または準耐火構造とすることが求められるもの。共同住宅等・事務所は地階を除く階数4以上、それ以外の非住宅は延べ面積3,000㎡超または地階を除く階数3以上
用途劇場・集会場、病院・診療所・ホテル・児童福祉施設等、学校・体育館・図書館等、百貨店・マーケット・物品販売業を営む店舗等、事務所等
普及啓発竣工後の内覧会等、技術情報の公表、建設工事費等の情報提供、炭素貯蔵量の算定・表示
省エネ等ZEH・ZEB水準への適合など。延べ面積2,000㎡以上の新築はライフサイクルカーボン評価を実施し報告
時期原則として令和8年度中に実施設計または建設工事に着手し、令和8年度予算として出来高に応じた支払いが完了すること

採択・交付決定より前に着手した実施設計・建設工事は対象外です。建設工事の着手は、杭打ち・地盤改良・山留め・根切りの工事が始まった時点とされています。

【計算例】普及枠の補助額

以下の金額は計算用の仮の値です。

項目仮の金額補助率補助額
調査設計計画費のうち木造化に係る費用2,000万円1/2以内1,000万円
木造化による掛増し費用(比較設計方式)6,000万円1/3以内2,000万円
合計3,000万円(上限2億円の範囲内)

掛増し費用の算出が難しい場合は、建設工事費の7%以内とする方法(全体計算方式)もあります。たとえば建設工事費が10億円なら、建設工事費分の補助は7,000万円以内です。他の補助金と併用する場合は、比較設計方式と全体計算方式の両方で計算し、小さい方が採択時の補助上限額になります。

基本設計・確認申請・工事監理・積算などの一般的な費用、地盤改良・外構・駐車場、土地購入、消費税などは補助対象外です(構造設計料など木造化による掛増しがある費用は対象)。

CLT(直交集成板)とは|CLTを使う補助制度

CLT(Cross Laminated Timber、直交集成板)は、ひき板(ラミナ)を繊維方向が直交するように積層接着したパネルです。品質の基準は「直交集成板の日本農林規格(JAS)」で、平成25年(2013年)12月20日に制定されました(農林水産省告示第3079号)。壁・床・屋根に面材として使え、中高層の木造や大きな床・屋根の計画で使われています。

CLTを使う建築物は、次の制度で支援の対象や優先採択の対象になります(令和8年度)。

  • CLT建築実証事業(林野庁): 設計費・建築費の3/10以内、特に普及性や先駆性の高いものは1/2以内
  • 先駆性等の高い木造化技術による設計・建築実証(林野庁): 一般流通材やCLTを活用した実証。補助率は同上
  • 木造公共建築物等の整備(林野庁、都道府県を通じた交付金): CLT活用等のモデル性が特に高いものは1/2以内
  • ZEB化・省CO2化普及加速事業(環境省): CLT等の新たな木質材料を一定量以上使用した場合に優先採択枠

各省のCLT関連の支援制度は、内閣官房のCLT窓口ページ「CLT支援制度」(令和8年7月24日更新)にもまとめられています。

自治体の独自補助について

国の制度に加え、都道府県・市町村が独自の木材利用補助を設けている場合があります(地域材の使用を条件とするものが多い)。自治体の補助は年度ごとの改廃が多く、補助率・上限も自治体ごとに異なります。建設地の都道府県・市町村の林務担当課や公式サイトで、その年度の要綱を確認してください。地域材を扱う林業事業者・プレカット工場との連携も早めに進めましょう。

補助金の併用について

  • 優良木造建築物等整備推進事業: 他の補助金の対象になる費用は補助対象外です。ただし、各補助金の対象部分を明確に切り分けられる場合は、他の補助金の対象部分を除く部分は対象になります(募集要領)。
  • 林野庁の実証事業(CLT建築実証、先駆性等の高い木造化技術、JAS構造材実証): 同一の対象で、他の国からの補助や助成を原則併用することはできません(JAS構造材実証は地方公共団体等からの補助も同様)。

併用を前提に計画する場合は、必ず所管に事前確認してください。

【チェックリスト】申請前に確認すること

確認することチェック
建物の規模・用途が、制度の要件(耐火・準耐火が求められる規模、対象用途など)に当たるか□
採択・交付決定より前に、実施設計や工事に着手する予定になっていないか□
年度内の着手・支払いなど、予算年度の条件に工程が合うか□
補助対象経費(木造化に係る設計費・掛増し費用など)を、それ以外の費用と切り分けて積算できるか□
他の補助金と併用する場合、対象部分を切り分けられるか(林野庁の実証事業は原則併用不可)□
竣工後の普及啓発(内覧会・情報公表)や報告に協力できるか□
補助で取得した建物の財産処分の制限(処分には大臣の承認が必要)を事業計画に織り込んだか□
書類・帳簿を事業完了年度の終了後10年間保存できる体制があるか□

申請でつまずかないための注意点

  • 交付決定前の着手は対象外: 採択・交付決定の前に着手した実施設計・建設工事は補助の対象になりません。
  • 変更は原則不可: 採択・交付決定された事業内容からの変更は、原則として認められません。
  • 完了報告と検査: 事業完了後に実績報告を行い、補助額が確定します。実施中・完了後に現地調査が行われることがあります。
  • 財産処分の制限: 補助で取得した建物を、処分制限期間内に交付目的に反して使用・譲渡・貸付・取壊しなどする場合は、事前に大臣の承認が必要です。
  • 予算の範囲内での査定: 予算状況により、補助額が査定される場合があります。

補助金を受けたときの税務(圧縮記帳)

法人が固定資産の取得に充てるための国・地方公共団体の補助金を受けた場合、一定の要件のもとで、補助金相当額まで固定資産の帳簿価額を減額し、その額を損金に算入できます(法人税法第42条、いわゆる圧縮記帳)。受け取った年の課税を先に延ばす仕組みで、その分、以後の減価償却費は小さくなります。適用の可否は顧問税理士に確認してください。減価償却の考え方は 非住宅木造の減価償却と節税 を参照してください。

補助制度の背景|木材利用促進法

「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」(通称:都市(まち)の木造化推進法)は、2021年の改正で、公共建築物だけでなく建築物全般での木材利用の促進を目的としています。同法にもとづく「建築物木材利用促進協定」を結んだ事業者は、国の一部の補助制度で優先的な支援の対象になります(林野庁の一覧)。

問い合わせ先・一次情報

まとめ

  • 令和8年度の民間非住宅木造向けの中心は、国交省の優良木造建築物等整備推進事業(普及枠:上限2億円)と、林野庁のCLT・一般流通材・JAS構造材の実証事業
  • 補助の対象は「木造化に係る設計費」「掛増し費用」などが中心で、建設費全体に補助率がかかるわけではない
  • 優良木造の第2回(普及枠)は2026年10月16日17時必着。林野庁の実証事業の令和8年度公募は終了している
  • 交付決定前の着手は対象外、併用は制度ごとに制限あり。必ず最新の公募要領で確認すること

出典・参考

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