※ 画像はイメージです
物件概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 用途 | 特別養護老人ホーム |
| 構造・工法 | 木造2×4工法(枠組壁工法) |
| 耐火性能 | 準耐火構造(60分) |
| 延床面積 | 3,000㎡以内(2棟構成) |
| 設計監理 | サンライズ建築事務所 |
| 採用ポイント | 大規模木造/高断熱/空調コスト削減 |
このプロジェクトのねらい
特別養護老人ホームは、24時間365日稼働する施設であり、入居者の暮らしの質と運営事業者の経営効率の両方を、長期にわたって支える設計が求められます。本プロジェクトでは、「暮らしの質」を第一に設計しながら、木造2×4工法で大規模建築を成立させることに挑戦しました。
延床3,000㎡というスケールを2棟構成で計画。法規・構造両面で高い検討精度が必要となる計画ですが、2×4工法の標準ディテールを活かしつつ、福祉施設としての要求性能をしっかりとクリアしています。
設計上のポイント
1. 「暮らしの質」を中心に据えた計画
特養は単なる「介護を受ける場所」ではなく、入居者の生活の場です。居室・食堂・浴室・共用部の動線とプロポーションを丁寧に設計し、施設臭さを抑えた居住空間としています。
2. 大規模木造のための法規・構造設計
- 準耐火60分構造で福祉施設の耐火要件をクリア
- 2棟構成で防火・避難計画を最適化
- 構造計算の精度を高め、3,000㎡規模を2×4工法で成立
3. 高断熱性能による空調コスト削減
2×4工法の壁体内充填断熱を活かし、季節を問わず館内が快適な温度を維持できる断熱性能を確保。空調機器の稼働を抑えられるため、運営期間中のランニングコスト(特に光熱費)を継続的に削減できます。
特養は24時間空調が稼働する施設のため、断熱性能の差は年間光熱費に直接効く要素です。初期投資ではなく数十年単位での総コストで見た時、木造2×4の優位性は際立ちます。
4. 法的・構造的な検討精度の高さ
大規模木造の福祉施設は、用途特有の規制と耐火・避難・構造の規制が重なる「最も難度の高いビルディングタイプ」のひとつ。本事例は、こうした条件を整理しながら2×4で成立させた、再現性の高いノウハウの蓄積でもあります。
木造2×4だからこそできたこと
- 大規模対応 — 適切な防火区画と構造設計で、3,000㎡規模を木造で実現
- コスト合理性 — RC造比で構造体コストを大幅圧縮
- 断熱性能 — 24時間空調環境での光熱費を継続的に削減
- 快適性 — 木の質感を残した内装で施設臭さを軽減
- 環境性 — CO₂貯蔵量や脱炭素の観点からも有利
運営事業者にとってのメリット
- 総事業費の圧縮 — 規模が大きい分、構造体コストの差額もインパクトが大きくなります。
- 継続的なランニング削減 — 高い断熱性能による空調コスト削減は、20年・30年スパンで効きます。
- 補助金・税制優遇との相性 — 木造化や省エネ性能を評価する各種制度との親和性が高い。
- 入居者・家族への訴求力 — 「木の特養」というブランドは、利用者・家族の選定軸でも評価されやすい。
この事例で押さえておきたい関連記事
まとめ
延床3,000㎡規模の特別養護老人ホームを木造2×4工法で実現できる ―― 本事例はその実証であり、今後の福祉施設整備において木造化を検討する事業者・設計者にとって貴重な参考例となります。
大規模な福祉施設の新築・建替えをご検討中の社会福祉法人様、医療法人様は、お気軽にご相談ください。
