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経営戦略15分で読めます2026-04-01

土地オーナーに木造を提案するためのトークスクリプト

土地オーナーに木造を提案するためのトークスクリプト

※ 画像はイメージです

はじめに — 土地オーナーは「何を建てるべきか」で悩んでいる

全国に約440万人いるとされる土地オーナーの多くは、「この土地をどう活用すればいいのか」という悩みを抱えています。相続した土地、事業縮小で空いた土地、固定資産税だけがかかり続ける遊休地。活用したい気持ちはあっても、何を建てるべきか、どの構造が最適か、本当に収益が出るのかがわからず、結局何年も手つかずのまま放置しているケースが大半です。

国土交通省の調査によると、遊休地オーナーの約65%が「専門家からの提案があれば活用を検討する」と回答しています。つまり、工務店からの適切な提案が、土地活用の決断を後押しする大きな要因になるのです。

本記事では、土地オーナーに木造非住宅を提案するための具体的なトークスクリプトと、説得力のある提案資料の作り方を紹介します。

土地オーナーが気にする3つのこと

提案トークを組み立てる前に、土地オーナーが最も気にしている3つのポイントを理解しましょう。この3つへの回答を用意しておくことが、提案成功の前提条件です。

1. 収益性 — 本当に儲かるのか

土地オーナーの最大の関心事は「投資に見合うリターンがあるか」です。具体的には、以下の数字を聞かれることが多いです。

  • 建設費はいくらか(坪単価と総額)
  • 年間の家賃収入はいくら見込めるか
  • 利回りは何%か(表面利回りと実質利回りの両方)
  • ローンを組んだ場合、手残りはいくらか
  • 投資回収は何年か

2. リスク — 失敗したらどうなるのか

特に初めて土地活用を検討するオーナーは、リスクに対して非常に敏感です。主な不安要素は以下の通りです。

  • 空室が続いたらローンが払えなくなるのでは
  • 木造は耐久性が低いのでは
  • 家賃が下落して収益が悪化するのでは
  • 大規模修繕でまとまった出費が発生するのでは

3. 手間 — 自分で何をしなければならないのか

高齢のオーナーほど、「建設や管理の手間」を気にします。「すべてお任せできるのか、自分が動かなければならないことがあるのか」を明確にすることで、心理的なハードルが下がります。

アプローチのタイミング — いつ提案すべきか

土地オーナーへの提案は、タイミングが非常に重要です。最も効果的なタイミングは以下の3つです。

タイミング理由アプローチ方法
相続が発生した直後相続税対策として土地活用が急務税理士からの紹介
固定資産税の通知時期(4〜6月)税負担を実感し、活用意欲が高まるDM・チラシ
既存建物の老朽化時建て替えの検討が始まる不動産会社からの紹介

特に相続発生後は、相続税の納付期限(10ヶ月)があるため、オーナー側にも「早く動きたい」という意欲があります。税理士からの紹介であれば、アポイント取得率は一般的な飛び込み営業の5〜10倍にもなります。

トークスクリプト例

ここからは、初回面談から提案、クロージングまでの3段階で、具体的なトークスクリプトを紹介します。

第1段階: 初回面談(ヒアリング中心)

初回面談の目的は「売り込み」ではなく「ヒアリング」です。オーナーの状況と意向を正確に把握することに集中しましょう。

導入トーク

「本日はお忙しいところお時間をいただきありがとうございます。私どもは〇〇市で建築業を営んでおります(会社名)の(名前)と申します。今日は、〇〇様の土地活用について、一緒に考えさせていただければと思い、お伺いしました。まず、今のお考えや気になっていることをお聞かせいただけますか。」

ヒアリングの質問例

  • 「この土地は現在どのようにお使いですか?」
  • 「土地活用を考え始めたきっかけは何ですか?」
  • 「具体的に検討されている活用方法はありますか?」
  • 「投資額や借入について、お考えはありますか?」
  • 「他社さんからの提案は受けていらっしゃいますか?」

この段階では木造の話はまだしません。まずはオーナーの言葉に耳を傾けることが信頼構築の第一歩です。

第2段階: 提案(数字で語る)

ヒアリング結果をもとに、2回目の面談で具体的な提案を行います。

提案トーク

「前回お伺いしたお話をもとに、〇〇様の土地に最適なプランをお持ちしました。土地面積80坪に対して、木造2階建のアパート8戸を提案させていただきます。建設費は約8,000万円、年間の想定家賃収入は720万円で、実質利回りは約5.5%を見込んでいます。」

「ここで一つ、大事なポイントをお伝えします。同じ規模の建物をRC造で建てた場合、建設費は約1億2,000万円になります。差額の4,000万円を別の運用に回すこともできますし、借入額を抑えることで毎月のキャッシュフローに大きな余裕が生まれます。」

木造への不安を解消するトーク

「木造の耐久性についてご心配かもしれませんが、現在の木造技術は大きく進歩しています。適切な設計とメンテナンスを行えば、50年以上の使用が可能です。法定耐用年数は22年ですが、これは税務上の数字であり、実際の建物寿命とは異なります。むしろ、耐用年数が短い分、減価償却による節税効果はRC造より大きくなります。」

第3段階: クロージング

提案内容に概ね合意が得られたら、契約に向けた具体的なステップを提示します。

クロージングトーク

「ここまでの内容で大きな方向性にご賛同いただけるようでしたら、次のステップとして地盤調査と実施設計に進ませていただきたいと思います。地盤調査の費用は約10万〜15万円で、期間は1週間程度です。調査結果をもとに正式なお見積もりをお出しいたします。着工は〇月を目指し、完成は〇月を予定しています。入居募集は完成の3ヶ月前から開始しますので、完成と同時に家賃収入が入り始めるスケジュールです。」

提案資料に盛り込むべき内容

トークスクリプトと同様に重要なのが、手元に残る提案資料です。オーナーは家族や税理士と相談してから決断することが多いため、資料の完成度が受注を左右します。

必須項目

  1. 収益シミュレーション(30年間): 年間家賃収入、経費、ローン返済、手残りを30年分一覧にしたキャッシュフロー表。家賃下落率は年0.5〜1%で想定するのが現実的です。

  2. 構造比較表: 木造・S造・RC造の建設費、工期、固定資産税、耐用年数の比較。木造の優位性を客観的なデータで示します。

  3. 施工スケジュール: 設計から引き渡しまでのスケジュールを月単位で示します。木造の工期の短さ(RC造の約半分)は大きなアピールポイントです。100坪の木造アパートなら、着工から完成まで約4ヶ月が目安です。

  4. 施工事例: 類似案件の写真と概要(延床面積、坪単価、工期、利回り)。自社実績がなければ、FC本部の事例を活用しましょう。

収益シミュレーションの具体例

項目金額
建設費(木造2階建・8戸)8,000万円
諸費用(設計費・登記費・申請費等)400万円
年間家賃収入(7.5万円×8戸×12ヶ月)720万円
年間経費(管理費・修繕積立・税金・保険等)▲252万円
年間ローン返済(7,500万円・金利1.5%・30年)▲310万円
年間手残り158万円
表面利回り9.0%
実質利回り5.6%

RC造・S造を検討中のオーナーを木造に切り替えるポイント

既にRC造やS造での建築を検討しているオーナーに木造を提案する場合、以下の3つの切り口が効果的です。

1. 建設費の差額を具体的に示す

「100坪のアパートの場合、RC造の建設費は約1億2,000万円、木造は約8,000万円です。この差額4,000万円を頭金に充てれば、借入額が大幅に減り、毎月のキャッシュフローが年間約160万円改善します。」

2. 工期の短さをアピールする

「RC造の工期は約8ヶ月ですが、木造なら約4ヶ月です。4ヶ月早く完成すれば、4ヶ月分の家賃収入240万円が前倒しで入ります。また、工期が短い分、建設中の金利負担も軽減されます。」

3. 出口戦略(売却)を提示する

「木造は建設費が低い分、売却時のリスクも小さくなります。万が一売却する場合でも、取得価格が低いため損失を抑えやすいのが特徴です。また、減価償却が進んだ段階で売却することで、キャピタルゲインと節税のバランスを最適化できます。」

まとめ

土地オーナーへの木造非住宅の提案は、正しい順序と適切なトークで行えば、高い確率で受注に結びつきます。

  • オーナーが気にする「収益性・リスク・手間」の3点への明確な回答を準備する
  • 初回面談は売り込まず、ヒアリングに徹する
  • 提案は数字で語る。表面利回りだけでなく実質利回りとキャッシュフローを提示する
  • 提案資料は30年間の収益シミュレーションと構造比較を必ず含める
  • RC造・S造との比較は、建設費の差額、工期、出口戦略の3点で訴求する

土地オーナーの多くは「提案されれば動く」という状態にあります。工務店が一歩踏み出して提案することが、双方にとっての大きなチャンスにつながるのです。

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