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ホームコラム木造vs RC造vs S造 — 非住宅建築のコスト比較【坪単価一覧表付き】
技術解説10分で読めます2026-04-16

木造vs RC造vs S造 — 非住宅建築のコスト比較【坪単価一覧表付き】

木造vs RC造vs S造 — 非住宅建築のコスト比較【坪単価一覧表付き】

※ 画像はイメージです

はじめに — なぜ構造選択がコストを大きく左右するのか

非住宅建築を計画する際、最初に直面する大きな判断が「構造の選択」です。木造、RC造(鉄筋コンクリート造)、S造(鉄骨造)のどれを選ぶかによって、建設コストは数千万円単位で変わることも珍しくありません。

国土交通省の建築着工統計によると、2025年度の非住宅建築における木造の割合はわずか約6%にとどまっています。しかし、近年の鉄骨価格の高騰やウッドショック後の木材価格の安定化により、非住宅分野でも木造を選択する施主が増加傾向にあります。

本記事では、構造別の坪単価を一覧表で比較し、用途ごとのコスト目安をわかりやすくまとめました。構造選択の判断材料としてご活用ください。

構造別の坪単価比較

まずは、非住宅建築における構造別の坪単価の目安を見てみましょう。

構造坪単価の目安工期(100坪の場合)特徴
木造50〜70万円/坪3〜4ヶ月コスト・工期ともに有利
S造(鉄骨造)70〜90万円/坪4〜6ヶ月大スパン対応が得意
RC造(鉄筋コンクリート造)80〜110万円/坪6〜8ヶ月耐久性・遮音性に優れる

この表はあくまで目安であり、立地条件や仕様によって変動します。しかし、傾向として木造はS造に対して約20〜30%、RC造に対して約30〜40%のコスト削減が見込める計算になります。

例えば、200坪の事務所を建設する場合、木造とRC造の差額は以下のようになります。

  • 木造: 200坪 × 60万円 = 1億2,000万円
  • RC造: 200坪 × 95万円 = 1億9,000万円
  • 差額: 約7,000万円

この差額は、経営判断に大きな影響を与える金額です。

用途別コスト比較

建物の用途によっても、構造ごとのコストは異なります。以下に、代表的な4つの用途について坪単価の目安をまとめました。

倉庫

構造坪単価の目安
木造30〜50万円/坪
S造45〜65万円/坪
RC造60〜80万円/坪

倉庫は内装仕上げが最小限で済むため、全体的に坪単価が低くなります。木造は特にコストメリットが大きく、S造と比較して30〜40%のコスト削減が可能です。

事務所

構造坪単価の目安
木造55〜75万円/坪
S造70〜90万円/坪
RC造85〜110万円/坪

事務所は空調・電気設備のグレードが上がるため、倉庫よりも坪単価が高くなります。それでも木造なら、RC造より約30%のコスト優位性があります。

介護施設(高齢者福祉施設)

構造坪単価の目安
木造60〜80万円/坪
S造75〜95万円/坪
RC造90〜115万円/坪

介護施設は防火規制や設備要件が厳しいため、全体的に坪単価が上がります。しかし、木造は「木の温もり」が入居者の心理的安定につながるという研究結果もあり、コスト面だけでなく入居率の向上にも寄与する可能性があります。

店舗(飲食・物販)

構造坪単価の目安
木造55〜75万円/坪
S造70〜90万円/坪
RC造80〜105万円/坪

店舗は立地や内装の仕様によって大きく変動しますが、躯体コストにおいて木造の優位性は変わりません。

木造が安い理由 — 3つのコスト削減要因

基礎工事の軽減

木造は他の構造に比べて建物の自重が軽いため、基礎工事が簡略化できます。RC造の基礎は杭工事を含めて建設費全体の15〜20%を占めることがありますが、木造では10〜12%程度に抑えられるケースが多くなります。地盤改良費用も含めると、基礎だけで数百万円の差が出ることがあります。

工期短縮による人件費削減

木造はプレカット加工された部材を現場で組み上げるため、躯体工事の期間が短縮されます。RC造と比較すると工期は約半分になることもあり、現場管理費や仮設費用の削減につながります。工期が1ヶ月短縮されるだけで、現場経費は200〜400万円程度の削減が見込めます。

資材コストの安定

2021〜2022年のウッドショック以降、木材価格は安定基調にあります。一方、鉄骨は国際市況の影響を受けやすく、2024年以降も高止まりが続いています。2025年時点で鉄骨の市場価格はトン当たり約12〜15万円と、コロナ前と比較して約30%高い水準で推移しています。

コストだけでない木造のメリット

断熱性能の高さ

木材の熱伝導率は鉄の約480分の1、コンクリートの約12分の1です。このため、木造建築は構造体自体が断熱材の役割を果たし、空調コストの削減につながります。事務所ビルの場合、年間の空調コストをS造比で約15〜20%削減できるという試算もあります。

CO2排出量の削減

木材は成長過程でCO2を吸収・固定しており、建築物として利用されている間もCO2を貯蔵し続けます。林野庁の資料によると、木造建築物は同規模のRC造と比較してCO2排出量を約40%削減できるとされています。脱炭素経営を掲げる企業にとって、木造建築は有力な選択肢です。

減価償却の有利さ

法定耐用年数は木造事務所が24年、RC造事務所が50年です。耐用年数が短い分、年間の減価償却費が大きくなり、節税効果が高まります。初期投資が安い上に節税効果も大きいため、投資回収の観点からも木造は有利です。

まとめ

非住宅建築におけるコスト比較をまとめると、木造はS造と比較して20〜30%、RC造と比較して30〜40%のコスト削減が見込めます。さらに、工期短縮、断熱性能、CO2削減、減価償却の有利さなど、コスト以外のメリットも多くあります。

もちろん、大スパンが必要な場合や高層建築では鉄骨やRC造が適しているケースもあります。しかし、3階建て以下の倉庫・事務所・介護施設・店舗といった非住宅建築であれば、木造は十分に有力な選択肢です。

「非住宅=鉄骨かRC」という固定観念を見直し、木造の可能性を検討してみてはいかがでしょうか。

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